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算数が苦手な子が学習に取り組み、自信を付けていく支援

「いつでも参照できる!」「教えてもらいたい時に教えてもらえる!」学習環境をつくる。

長野県公立小学校教諭 大川雅也



6年生を担任しています。4月、これまでの算数の学習が積み重なっていない児童が複数名いました。
その児童たちに行った支援、全体を巻き込んで行った支援を以下にまとめました。

(1)九九表、九九ポスターをいつでも参照できるようにする

九九が怪しい児童がいます。また九九表にあるわり算(例えば、6÷3=2)の答えが分からない児童がいます。そういった児童には、九九表を持たせました。また、九九表ポスターを掲示しました。その子をポスターの近く(壁側)の座席にしました。授業中、いつでも九九表やポスターを見てよいことにしました。
徐々に九九が定着し、児童が表やポスターを見る回数が減りました。

(2)解き方をいつでも参照できるようにする

下図のように、解き方の一覧表を、オンライン上にて児童と共有し、いつでも参照できるようにしました。授業中も、テスト中もこの解き方を見て良いことにしました。解き方の記憶定着の効果を実感しました。

(3)「取り組めそう」な分量を設定

教科書1時間分の全ての問題を解くことは難しいです。問題数が多いとやる気が出ません。また頑張って取り組むと、エネルギー切れを起こしてしまい、次の授業に支障が出ます。
そこで、「取り組めそう」な分量を選択できるようにしました。全体に、Sコース、Aコース、Bコースを示しました。Sコースには発展課題あり、Aコースは、教科書1時間分のほぼ全ての問題、Bコースは、半分ぐらいの問題。その3つから、自分で選択できるようにしました。
児童は時間内に、選んだコースの問題を解くことができ、自信を付けていきました。
宿題についても、本人と相談し、問題数を調整しました。

(4)「先生とコース」を自分から選択できるように

「一人コース」「仲間とコース」「先生とコース」の3つのコースを選択させました。多くの児童が、教師の指導なしで取り組む状況をつくりました。そうすると、算数が苦手な児童への個別指導の時間が生まれます。
しかし、最初から「先生とコース」を選ぶ児童はいませんでした。そこで、こちらから該当の児童の元へ行き、解き方を教えます。そして、男子を複数名、「先生とコース」に誘います。この男子たちと一緒に黒板前で学習します。算数が苦手な女子は、「先生とコース」の板書を見ながら、解きます。これを繰り返して行くうちに、女子児童も「先生とコース」を選ぶようになりました。
解き方一覧表を見るだけでは定着できない、問題の状況に対応した解き方を身に付ける機会となりました。


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