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<写真でわかる! 人気講師の教室づくり>特別支援学級の構造化による合理的配慮とユニバーサルデザインの実現

特別支援学級だからこそできる最先端知見を取り入れたユニバーサルデザイン化と合理的配慮。

長野県公立小学校教諭 小嶋悠紀


刺激への配慮が必要な子供も多いが、小集団ならば学習できる子供もいる。それぞれの特性に合わせてパーテーションを使い分ける。過敏性のある子供には壁際でせまく若干暗い空間をつくるようにした。

個別学習の構造化

一人一人に写真のようなレターボックスを用意している。1時間の学習が5パーツに分かれており、上から1段ずつ課題に取り組む。このことで、やるべき学習の量と内容が構造化される。

ジャンボ ホワイト・TOSSノート

子供が使っているノートと同じ構造で7倍の大きさの『ジャンボ ホワイト・TOSSノート』で小集団の授業を展開している。「黒板と手元のノートの整合性の一致」を実現できるユニバーサルデザインの教具である。
子供たちの選択的注意の弱さを補い、わかりやすく構造的な視覚情報を提供できる。学習のわかりやすさをつくるのも大切な合理的配慮である。

椅子への合理的配慮

発達凸凹のある子供たちは座る椅子に対する配慮が重要である。通常の椅
子では座りにくかったり、刺激の入りづらい子供もいる。ホームセンターに売っているビーズクッションなどで工夫することで、合理的配慮を実現できる。

アタマげんきどこどこシート

ワーキングメモリを鍛える絵本『アタマげんきどこどこ』(騒人社)が作業のできるシートとなって登場した。ホワイトボードマーカーで書いて消せるので、さらに熱中して取り組める。視覚ワーキングメモリがより向上することが期待できる。

センサリールーム

アメリカの特別支援教育視察で驚いたのが、感覚統合を用いた部屋や
教具がたくさんあったことだ。帰国後すぐに、クールダウンルームを写
真のようにセンサリー(感覚)ルームに改造した。自閉のある子供たち
がよく中に入って、光の刺激を楽しんでいる。心地よい刺激を入力でき
る合理的配慮も、これからさらに研究されなければならないと考えている。


※この記事は2016年10月1日発行の『TOSS特別支援教育 第4号』に掲載されたものの再掲です。一部、名称等が当時のものになっていることがありますこと、あらかじめご承知おきください。

※この記事へのお問合せはTOSSオリジナル教材HPまで。https://www.tiotoss.jp/

© 2023 TOSS,The Institute for Teaching-Skill Sharing.Printed in Japan