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★新年度特別企画!★ 小嶋悠紀の特別支援教育コンパス第39回 【4月〜5月の発達障害の子供たちをケアする①】

 「ささエる」編集長・小嶋悠紀の連載も1周年を迎えました!
 この4月~5月は、新年度特別企画として、「4月〜5月の発達障害の子供たちをケアする」を連載いたします。
 この記事をお読みくださっている先生方、ぜひ、新年度の指導にお役立てください。
 また、保護者の皆様には、新年度の子供たちの様子について、「ああ、そういうことだったんだ!」という理解を深めていただけることと思います。

 毎月第1・3木曜日の更新です。メンバーシップ限定記事ですが、第1木曜日はどなたでもお読みいただけます。
今回は第1木曜日ですので、どなたでもお読みいただけます!


 さていよいよ新年度ですね! 新しい子供たちとの出会いに、先生方も胸をドキドキさせていることと思います。
 4月〜5月の「小嶋悠紀の特別支援教育コンパス」は、3月まで続けてきた「インクルーシブ」の連載を一時中断しまして、特集「4月〜5月の発達障害の子供たちをケアする」をお送りいたします。これを機に、ぜひ、メンバーシップへの登録をお待ちしております。(小嶋悠紀)


 4月は「発達障害のある子供たち」にとって「不安」の月となる。
 「学年が替わる」「友達が替わる」「先生が替わる」「学習のやり方が変わる」などといった「様々な変化」が「不安を巻き起こす」。
 このようなときには、
「不安定となって荒れる発達障害の子供のケア」
が重要になるのは言うまでもない。
 それでは、それがいつまで続くのであろうか?
 「不安感が薄れ新しい環境に慣れるまでに必要な期間」は「およそ1ヶ月間」である。
 その期間は「不安な状態が続く」と覚悟を決めて支援をする必要がある。定型発達の子供たちの多くが、およそ2週間程度で新しい環境に慣れてくるところを、倍近くの時間がかかって慣れることになる。
 これが基本的な流れにはなる。
 しかし、この流れのようにはいかない発達障害の子供たちがいる。 
 ASDの子供たちの中の一部に次のような子供がいるのである。
 「学年が替わり、先生も友達も替わり、極度の『緊張状態』にいるASDの子供」
である。
 私もそのようなASDの子供たちを経験している。
 この「極度の緊張状態」というのがとても状況を難しくしている。
 本来であれば、「集団行動や授業に参加することなどがとても難しい子供たち」なのにも関わらず、
「色々とできてしまう」
のである。
 集団に参加しているし、授業にも参加できてしまうのである。
 ノルアドレナリンが緊張状態で放出されまくって、普段はできないことに対してもパフォーマンスが上がってしまうのである。
 すると、引き継ぎの際に受けた、様々な情報との差が大きくなってしまう。
 「なんだできるんじゃん」
「新しい学年になって気持ちが変わったからかな」
と、対応している大人に都合の良い解釈が生まれてしまう。
 この緊張状態は意外と長く続く。2週間以上続く子供もいる。
 だが、実はその時、彼らは、
「緊張状態で無理をしている状態」
が2週間続いているのである。早い子供では午後に疲れ果て、帰宅後にぐったりしている。寝てしまう子供もいる。
 できれば、黄金の3日間からの2週間で「引き継ぎの状態以上のパフォーマンスが出ているな」と思った子供がいたら、ご家庭に電話連絡を入れてほしい。
 家庭での疲れ具合から、過剰に適応しているかどうかのアセスメントが可能である。
 このような子供たちを前にした時の心構えや対応などは、また次号以降に掲載することにする。(つづく)


●小嶋悠紀プロフィール●
本誌編集長・元小学校教諭
(株)RIDGE SPECIAL EDUCATION WORKS 代表
大学当時より発達障害の青年たちの余暇支援活動団体を立ち上げ発達支援に関わる。卒業後、特別支援を要する子供たちへの支援を中心に講演活動を行う。長野県養護教諭研究協議会において、全県の幼・小・中・高・特の1000名の養護教諭に特別支援の講演を行う。NPO法人長野教師力向上NETでも発達支援者育成部門を担当。


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