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子供の良い行動を広げるスペシャルな褒め方

褒め方を様々に工夫することで、子供の「良い行動」を再現性のあるものにできる。

京都府公立小学校教諭 村上雄平



私が担任した特別支援学級の子供たちには、特性ゆえに「声掛けだけの褒め」では中々伝わりませんでした。そんな中で私が実践し、良い行動が広がった方法をお伝えします(効果のある対応は子供によって異なります)。
 
■体に触れて褒める。
発語の少ないダウン症のAさんに実践。
様々な方法で体に触れて「いいね!」と伝えました。
 
①ハイタッチ
朝の健康観察で初めて返事ができた時に実践しました。とても嬉しかったようで、それ以降の健康観察では、元気な返事とハイタッチがセットになりました。
 
②だっこ
「だっこ>ハイタッチ」といったイメージで、「初めて音読ができた」というようなスペシャルな褒めとして、だっこをしました。「だっこ=僕はすごいことをしたんだ!」と、いつも以上に喜んでいました。

■GIGA端末を用いて褒める。

撮影機能を使います。撮影したデータは「良いモデル」として何度でも子供に見せることができるので、再現性を高める効果がありました。

・動画
初めて跳び箱を跳べたBさん。撮影した動画を教室で再生し、学級のみんなで褒めました。更にBさんの端末に動画を移し、家に持ち帰ってもらいました。保護者も喜んでくださり、苦手な跳び箱が大好きになりました。

■人に協力してもらって褒める。


①学級の友達

子供同士の関係性ができた2学期に、「今のAさんの音読、褒めてあげたいことはありますか?」と子供たちに尋ねると、次々と良い点が上がりました。友達に認めてもらえるのはとても嬉しかったらしく、学級全体で音読がめきめき上達していきました。

 ②校長先生
宿泊学習に不安のあったCさんを褒めてもらうようお願いしました。校長は何度もCさんの部屋を訪ねてくれ、「よく頑張っていたね」と声をかけてくれました。学校で一番偉い先生に褒めてもらうのは特別な経験だったようで、張り切って活動に参加していました。
 
こうした褒めの工夫で、子供たちに「良い行動」を深くインプットすることができました。


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