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小嶋悠紀の特別支援教育コンパス第14回 【人的環境調整を実現する「特別支援教育 クエスチョン8」で校内研修を実現するVOL.8】

2023年4月より「ささエる」編集長・小嶋悠紀の週1連載が始まりました!
メンバーシップにご登録された方は毎週金曜日に、それ以外の方は月1回第1金曜日の分だけお読みいただけます!
今回は第1金曜日ですので、どなたでもお読みいただけます!

 それではいよいよ最後の質問である。


Question8 子供のアセスメントに日本で代表的に使われている心理アセスメントバッテリーを1つ述べてください


 この質問には、多くの方がお答えになられるのではないだろうか。


Answer8 WISC-Ⅳ


が最も代表的なものであろう。
「田中ビネー知能検査」「新版K-ABC」「S-M式社会生活能力検査」も有名である。しかし、現在、教育現場で最もメジャーなのは、やはりWISCだと言える。
 それでは、次の質問にはお答えになることができるだろうか?


Question8-2 WISCを代表する4つの指標得点の名前を述べてください。


 こう質問すると、正答が半減すると思っている。
 ここが日本の教育の中で最も残念な点だろう。


Answer8-2 言語理解指標(VCI) 知覚推理指標(PRI)
         ワーキングメモリ指標(WMI) 処理速度指標(PSI)


の4つである。
 さらに、それぞれの指標得点の意味やそれぞれのもっている特徴などを説明できるであろうか。
 ほとんどの先生方は「FSIQ(全検査IQ)」という全体の「IQ」にしか興味をもたないのではないだろうか。
 本当に大切なことは、
「それぞれの得点指標のばらつきを読み取り、その子の脳にどんな特徴があるかを捉えて、支援方法や学習への参加形態などを検討する」
ということだ。
 そうでなければ、それぞれの心理アセスメントバッテリーの意味がないと言っても良い。
 ちなみに、それぞれの指標得点については、そこまで専門的な勉強をしなくても、概要を学ぶことができる。
 WISCについては、私が大学生であった20年以上前から、日本でメジャーに使われている心理アセスメントバッテリーである。当時はWISCーRであったが、私もしっかりと勉強をしてそれぞれの指標得点の読み取りをできるようにした。
 その結果、様々な場面や事例で、どのように支援をすれば良いかのヒントをWISCから得ることができた。
 特に通常学級にいる特別支援を要する子供たちの支援には、WISCでの検査が必須であろう。
 WISCの読み取りは、特別支援教育の専門家だけができるものではなく、多くの教師の必須スキルとなって欲しい。


●小嶋悠紀プロフィール●
本誌編集長・元小学校教諭
(株)RIDGE SPECIAL EDUCATION WORKS 代表
大学当時より発達障害の青年たちの余暇支援活動団体を立ち上げ発達支援に関わる。卒業後、特別支援を要する子供たちへの支援を中心に講演活動を行う。長野県養護教諭研究協議会において、全県の幼・小・中・高・特の1000名の養護教諭に特別支援の講演を行う。NPO法人長野教師力向上NETでも発達支援者育成部門を担当。


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© 2023 TOSS,The Institute for Teaching-Skill Sharing.Printed in Japan