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<校内研修でそのまま使える! 特別支援教育ワークシート>職員の問題意識を高める通信を書く

短時間で読め、具体的場面を例に取る。演習と復習で問題意識を高めていく。

秋田県公立小学校 間嶋 祐樹

一 特別支援教育通信の発行

特別支援教育通信を発行している。コーディネーター発である。特別支援教育に関しての校内での諸問題などを書いている。しかし、一方的に書いても、職員の共通した問題とはならない。みんなに読んでもらい、自分の問題としてとらえてもらうには、次の課題をクリアする必要がある。
 
①短時間で読める(平易)
②読み手が問題意識を持つ

二 授業の課題を書く

若手が、研究授業をした。授業には課題が出てくる。そこで、その課題についての根拠と、理論を書き、それをワークシート形式で復習するという紙面構成にしてみた。これがとても好評だった。以下に実際の通信と次頁でワークシートを紹介する。

三 実際の通信

(一)動かす
ずっと椅子に座りっぱなしでは集中が途切れてしまいます。
授業の中に動かす場面を意図的に入れていく必要があります。
注意欠如・多動症の子が立ち歩くのは「ドーパミン」という脳内物質が不足するからです。立ち歩いて、動いてドーパミンを出そうとするのです。クラス全体を動かすことで、発達障害の子だけでなく、全ての子にドーパミンが補充されることになり、さらなる集中が可能になります。
(P 49 の問①の答え ドーパミン)
 
(二)情報を制限する
発達障害の子にとって必要なのは、情報を整理することです。あれもこれもという情報過多は何も言っていないのと同じです。ですから、支援学級などでは情報を最小限にするためパーテーションで区切ったり、一対一で学習したりするのです。それを、「環境調整」といいます。手軽にできる対応方法です。しかし、集団を相手にした教室では、なかなかそうした対応は難しいです。一番いいのは、教師の言葉を削ることです。いらないことは話しません。情報はホワイトボード等で視覚化して見せます。
(P 49 の問②の答え 言葉)
 
(三)挙手→指名方式の脱却
授業の一般的なパターンとして挙手→指名があります。
ですが、このパターンでは、圧倒的多数が挙手しないのです。
したがって、授業は挙手した子が中心となって進んでいきます。
挙手→指名以外のパターンがもっとあればいいと思いました。「お隣同士話し合って」という指示にすると手を挙げる子は倍増します。
私がよく使ったのは、
「全員起立。分かった人は座りなさい」という指示でした。
起立させると、動きが生じますし、緊張感もアップします。
教師が様々な指名のバリエーションを持っていると、多くの子を授業に巻き込んでいくことができます。


※この記事は2016年10月1日発行の『TOSS特別支援教育 第4号』に掲載されたものの再掲です。一部、名称等が当時のものになっていることがありますこと、あらかじめご承知おきください。

※この記事へのお問合せはTOSSオリジナル教材HPまで。https://www.tiotoss.jp/

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