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編集長対談 小嶋が行く! 第4弾:太田一美氏 【第1回 “もっと前から関われていたら”の想いからスタートした「あどばんす」】<有料マガジン・メンバー無料>

「ささエる」の小嶋悠紀編集長が、様々な人たちと特別支援に関する対談をするコーナーの第4弾です。
今回の対談相手は就学前の子供たちの療育を行っている一般社団法人Advanceの太田一美氏です。
この対談のテーマは「未就学児の発達障害への治療的な保育とは」です。
第1回は「“もっと前から関われていたら”の想いからスタートした「あどばんす」」です。
※有料マガジンですが、今回の記事は無料でお読みいただけます。
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※記事の最後に続きの対談風景の動画を収録しています。

小嶋 今回は山梨にある「一般社団法人Advance」さんにお邪魔しております。今回の対談のメインテーマである「発達障害の子供たちの療育」、そして、太田先生が今、手掛けている「児童発達支援」というところに視点を向けて、実際にどんなことが行われているのか、どんな効果があるのか、課題はどんなところにあるのかといったことについて、お話を伺いたいと思っています。どうぞよろしくお願いします。
太田 よろしくお願いします。

小嶋 「ささエる」の読者には小・中学校の教員が多いんですけれども、その前段階である幼稚園や保育園のことはあまり知りません。その中でも特に、児童発達支援における療育というところについて、私たち小・中学校の先生が実態をよく知らないということがあるわけです。実際「早期発見・早期療育」というのにどのような効果があるのか。小学1年より前に、発達障害の子供たちはどんなサービスを受けてきているのか。そういったことを、小・中学校の教員は理解していく必要があると思います。これが、今日、太田先生に対談をお願いした趣旨でございます。
では、まず、太田先生のほうから自己紹介も含めてお話しいただけますでしょうか。

太田 はい、「一般社団法人Advance」代表理事の太田です、よろしくお願いします。私たち「一般社団法人Advance」は、就学前のお子さんの療育部門を担っております。「療育」という言葉は、ここ何年かで広がってきました。治療的な保育、治療的な教育という意味で使われていることが多いです。私たちのところに来るお子さんは、全員、診断書をお持ちです。それで、保育園や幼稚園でなかなか集団生活に馴染めないお子さんを、私たちが「療育」という形で、個別指導と小集団を使っての学習を積み重ねて、小学校に送り出す役目を担っています。
小嶋 ありがとうございます。今のフレーズを聞いただけで、読者の先生たちが児童発達支援でやっていることのイメージをつかめるかと言われると、多くの先生方が、まだイメージできないんじゃないかなと思います。そこで、詳しくお話をお聞きしていきたいと思います。
まず、太田先生は、なぜ就学前の子供たちに対してコミットされようとしてきたのでしょうか。児童発達支援を立ち上げようとした経緯を教えていただければと思います。

太田 私は、もともと小学校の教員をしていました。その中で、知的障害児学級と情緒障害児学級の担任を両方しました。ある時、ある子のお母さんから「うちの子はLDって言われているんです。知的学級に入っているんだけど、効果はあまりないんですよね」みたいなお話をいただきました。その子は大変暴れてしまうお子さんでした。私との出会いは、「てめえ、教室に入ったらぶっ殺すぞ!」みたいなことでした(笑)。
「私はこの子に、いったいどんな教育をするんだろう」という思いから、日本LD学会というところにたどり着きまして、そこで「S.E.N.S(特別支援教育士)」という資格を取りました。資格の勉強をする中で、「入学前の子供たちでもLDが発見できる」というフレーズを目にしたんです。そのフレーズは、私にヒットしました。「この子は幼稚園時代は叱られっぱなし、学校に来ても叱られっぱなし。じゃ、どうやってこの子の学校生活をもうちょっと楽しいものにしてあげられるんだろう」と考えました。その子のお母さんにも「もっと前から先生と関われていたら、うちの子は違ってました」と言っていただいたこともありました。
「幼児教育で、これってできるのかなあ」という疑問点をもちながらも、「保育園が悪いよね」「幼稚園でもうちょっとやってくれたらね」という言葉が、再三、職員会議の中で出ていたので、「じゃあ、その前にチャレンジしよう」と考えました。「就学前の子供たちに何かできることはないか」ということで思い切って踏み切った時に、「児童発達」というものがあるとわかったので、そちらに飛び込みました。飛び込んだ当時は、もう大変でした。「いったい何をすればいいでしょう」ということで。

小嶋 もともと、すんなりここを立ち上げたわけじゃないんですね。
太田 はい。前の事業所があったんです。そこは保育園と連携していたんですが、そこの園児を見た時は驚愕でした。「この子たち、1年生に上がった時、困るよね」と思いました。「年長さんでは、もうちょっと園の中で小学校に近い体験をしていかないと」「3月までお昼寝してて、4月から学校へ行くのは無理だよね」みたいなところから保育を見直してきた時に、「集団に入れなかった子たちに療育という場があるのであれば、そこで何かしよう」と考えました。そんな時にTOSS教材に出合い、これを伝えたいと思いました。そこで、TOSS教材を使った療育をスタートさせました。

(「2,療育の現場でも教材の質の高さが重要」に続く 2024.7.11アップ予定)


この対談の続きを少しだけ動画で公開いたします!
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太田一美
一般社団法人Advance 代表理事
児童発達支援事業所 あどばんす
相談事業所     相談室ぷりも
児童発達支援事業所・放課後デイサービスあんぶれら

小嶋悠紀
本誌編集長・元小学校教諭
(株)RIDGE SPECIAL EDUCATION WORKS 代表
大学当時より発達障害の青年たちの余暇支援活動団体を立ち上げ発達支援に関わる。卒業後、特別支援を要する子供たちへの支援を中心に講演活動を行う。長野県養護教諭研究協議会において、全県の幼・小・中・高・特の1000名の養護教諭に特別支援の講演を行う。NPO法人長野教師力向上NETでも発達支援者育成部門を担当。


※この記事へのお問合せはTOSSオリジナル教材HPまで。
https://www.tiotoss.jp/
© 2024 TOSS,The Institute for Teaching-Skill Sharing

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