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注意欠如・多動症の特性をつかみ、次々に指示を与え、空白の時間をつくらない

注意欠如・多動症の三大症状「多動性」「衝動性」「不注意」に対応するためには、「空白の時間をつくらないこと」。注意欠如・多動症の子に有効だった手立てを紹介します。

群馬県公立小学校教諭 稲葉竜也



教師10年目の時、通常学級担任から特別支援学級担任になりました。そこから数年たち、初めて注意欠如・多動症(ADHD)と正式に診断を受けた子を担任しました。その名の通り、ここまで不注意で、多動性があり、衝動性がある子は初めてでした。

とにかく注意の切り替わりが早いです。次々に切り替わります。気を付けていても追い付かないほどです。一番驚いたのが、全校集会で「猛獣狩り」ゲームをして仲間づくりをしたときに、一瞬でいなくなったことです。気を付けて見ていたはずが、ちょっと他の子を見た時に一瞬で姿を消しました。その後は全校500名程度の中から探すのに一苦労でした。授業中も同じです。消しゴムが気になれば消しゴムを触ります。授業と関係ない読書がしたくなれば読書をします。やる気がなくなれば机に突っ伏します。

それに対応するには、「空白の時間をつくらないこと」です。『授業の腕を上げる法則』(向山洋一著 学芸みらい社)に載っている授業の原則10ヵ条の一つである「空白禁止の原則」です。次々に指示を出していきます。「教科書の○ページを開きます」「○番の問題をやります」他に注意が向かないように空白を埋めます。

そして、「話は短く、なるべく説明しないこと」です。授業の原則の「一時一事の原則」「簡明の原則」です。一時に複数のことを話すと混乱します。一時に一つの事だけ話すと伝わります。説明すると聞かなくなります。他のことをし始めます。なるべく指示を与え、活動をさせ、欲求を満たしていきます。

さらに、「出来たときに褒め、ご褒美を与えること」です。課題を与えて頑張れたときは、強い刺激で褒め、その後、その子の好きな活動をさせます。この子は読書やタブレット学習が好きなので、課題が終わったら、ご褒美を与えています。授業の最初から最後まで集中し続けることは難しいので、頑張れたときに落ち着かせる時間を取り入れます。そうすることで、心が満たされ、次の活動に向かうエネルギーを蓄えることができます。
無理のさせすぎ、集中のさせすぎをすると、注意欠如・多動症の子は辛くなってしまいます。少しの息抜きがその子を救うことになります。その子の特性をつかみ、その子が頑張れそうな課題を頑張れそうな量だけ与え、頑張ったら褒める。向山洋一氏の教えに学び、褒めて子供を育てていきたいです。


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