見出し画像

まぁしいの一年生の特別支援教育① 〜集中時間が短い!問題を解決する〜

小学校教諭・インスタグラマー まぁしい

【初めての1年生担任】
 約10年前、初めて1年生を担任することになりました。「可愛い1年生と1年間過ごすことができるなんて、とても楽しみだな」と思っていました。他の先生たちは口々に「すごく大変だよ、頑張ってね」と言います。初日の入学式、それを痛感する事件が起こりました。
 入学式が終わり写真撮影を待っている時間、飽きてしまった子供同士が軽い小競り合いのようなことが起こりました。そして、たくさんの保護者の前で、ある1人の子供が鼻血を出してしまうことになりました。ハレの日に保護者や子供に悲しい思いをさせてしまったことを、ずっと後悔しています。

 失敗の経験から、1年生を担任する際にどのような特別支援教育があるのかを考えるようになりました。意識して考えるようになった今では、ありがたいことに「まぁしい先生なら安心です」と同僚の先生や保護者に言われるようになりました。

 これから3回連載で、私の「1年生の特別支援教育」について書いていきます。
 第1回目は、集中時間が短い1年生の子供たちへの特別支援教育をご紹介します。

1 授業1時間をパーツで区切る

 入学してすぐの子供たちの集中時間は、10分ほどです。子供たちが飽きないように、授業を5〜15分ごとのパーツで区切って行います。例えば国語であれば、次のように組み立てます。
1)ひらがなフラッシュカード 
2)音読 
3)ノート 
4)ひらがなスキル
 授業の流れを固定しておくことで、子供たちは見通しがもて、安心して授業を受けることができます。

2 意図的に立たせる、手を挙げさせる

 1年生にとって椅子に座るということは、思ったよりも疲れます。意図的に立たせたり、手を挙げさせたりするなど、動きのパーツを所々に入れてリフレッシュさせます。
 例えば、次のような指示で、意図的に体を動かしてあげます。
「全員起立。○ページを開けたら座ります」
「先生の質問に答えられた人は、手を挙げます。すごい! ノートに花丸をかきましょう」

3 ノート指導の待ち時間を減らす花丸

 1年生は、書く力の差がとても大きいです。ノートを板書するという活動ひとつとっても、子供たちの間に5分ほどの差が見られることもあります。ゆっくり書く子を静かに待つことができずに、隣の友達にいたずらをしてしまったり、集中が切れてトイレに行きたがったりするなど、困った行動に繋がってしまうことがよくあります。そこで、速く書けた子には、ノートの隙間に花丸をかかせています。
「先生と同じスピードで書けた人、手を挙げます。すごい!隙間に丁寧に花丸をかきましょう」
 花丸をかくことで、ノートを書くのが速い子とゆっくりな子の時間差を埋めることができます。また、「先生と同じスピードで書けた!」という喜びにも繋がり、自然と書く力を高めることができます。「先生、今日は30個も花丸かけたよ」と、にこにこしながら伝えに来る子供たちの笑顔がとても嬉しいです。花丸をたくさんかきたいという意欲が、少しずつ書く力をパワーアップさせます。


【まぁしい・小学校教諭】
小学校教諭18年目。
11年間の講師生活を経て採用試験に合格。
講師時代の特別支援教育に関わる経験や、TOSSサークルやセミナーで学んだ教育技術などを活かした授業や学級経営をしている。
Instagram フォロワー 8500人
省エネ学級経営をテーマに、子供たちに手応えのあった教育技術を中心に発信している。


※この記事へのお問合せはTOSSオリジナル教材HPまで。
https://www.tiotoss.jp/
© 2024 TOSS,The Institute for Teaching-Skill Sharing