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特別支援教育・悩みが消えるQA① 通常学級での支援を希望している子への対応は?

(回答者:小嶋悠紀)

Q 通常学級での支援を希望している小学二年生男子への対応は?

小学二年生男子。通常学級。WISCの検査を受け、全検査IQ96。ワーキングメモリは74と、他に比べてかなり低かったです。多動、不注意、衝動的で、注意欠如・多動症の傾向があります。
 じっとしていられなくて、常に椅子を揺らして動いています。おしゃべりも非常に多く、担任や友達の言葉がすべて刺激になってしまい、思いついたことを口に出します。1番前の席にしても後ろを向いて話します。友達とのトラブルも多いです。検査後に特別支援学級で国語、算数の取り出し指導を行いましたが、支援級担任の叱責を嫌がり、二年時からは、すべて通常学級で授業を受けています。
 保護者も子供の特性を理解しつつも、通常学級の継続を希望しています。どう支援していけばよいでしょうか。

A まずは医療面でのケアが必要。

 まずは、保護者と本人が特別支援学級ではなく通常学級での支援を希望しているということが気になります。
 現状、日本の特別支援教育は、保護者の意向が最優先されてしまいます。
 この事例の場合、教室での姿と保護者がもっている子供の状態像がズレていることも考えられます。
 私が保護者とケース会議を行うときに、最も重要視したことがあります。
 それは、
「保護者と教師の子供の姿の捉えのズレがほぼないようにする」
ことです。
 そのことによって、正しい支援が提案できます。
 その上でこの子の状況を一言で表すと、
「日常生活・普段の授業で失敗体験の方が多くなってしまっている」
ということです。
 例えば、この子の状況は様々な環境調整でよくなるのでしょうか。
 この先生は、すでに座席を前にするなど様々な配慮を行っています。
 その上でその子の行動が整ってこない。通常学級なので、その子のその姿を全体として許してしまうと、学級自体が落ち着かなくなってしまう。
 ということは、ここでの支援は、まず「医療面でのケア」でその子の状況を落ち着けることとなります。
 薬の力を借りながら、成功体験を増やすことが重要になります。ぜひ保護者とその旨をケース会議で話し合ってほしいです。


●小嶋悠紀プロフィール●
本誌編集長・小学校教諭
大学当時より発達障害の青年たちの余暇支援活動団体を立ち上げ発達支援に関わる。卒業後、特別支援を要する子供たちへの支援を中心に講演活動を行う。長野県養護教諭研究協議会において、全県の幼・小・中・高・特の1000名の養護教諭に特別支援の講演を行う。NPO法人長野教師力向上NETでも発達支援者育成部門を担当。

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