<発達障害の子が熱中したTOSS教材>負けを認めるようになる魔法の教材 五色百人一首
負けを認めない発達障害の子が、負けを認め、集団の中で活躍するようになった。
北海道公立小学校 高杉 祐之
「五色百人一首」は、「負け」を受け入れなければならない。何度も繰り返し行うことで「負け」や「思い通りにいかない」ことに対する耐性を身に付けることができる。
一年生のAくんは、机の上を走り回り、教室から逃げ出した。カッターを振り回し、暴れていた。学習にも取り組まず、1年で書いたノートは4行のみだった。負けることが大嫌いで、勝ち負けが起こることはすべて取り組まなかった。運動会はすべての種目に参加しなかった。
そのAくんを二年生で担任し、すぐ五色百人一首に取り組んだ。当初はやろうとしなかったが、クラスの子供たちの熱狂的に楽しんでいる様子を見て、「俺もやってみようかな」と言い出した。私はチャンスだと思い、Aくんに勝たせるように読み方を工夫した。予定通りAくんは勝った。Aくんは「百人一首楽しい!」と大興奮だった。
五色百人一首を始めて3ヶ月。勝ち負けを受け入れるようになった。そして運動会のすべての種目に参加した。学習にも積極的に取り組むようになった。
五色百人一首が生んだドラマである。
※この記事は2016年10月1日発行の『TOSS特別支援教育 第4号』に掲載されたものの再掲です。
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