小嶋悠紀の特別支援教育コンパス第57回 【2025年も特別支援教育を推進する年にしていきましょう】
「小嶋悠紀の特別支援教育コンパス」、今回は小嶋編集長からの新年のご挨拶と今年の抱負です。
本年も「ささエる」をどうぞよろしくお願いいたします。
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大好評の編集長日記「小嶋悠紀の特別支援教育コンパス」は、毎月第1、3木曜日に更新されます。
特別支援教育の第一人者である小嶋編集長の貴重な知見が惜しみなく盛り込まれた、読みやすいのにDEEPな知識まで得られる連載です!
この連載はメンバーシップ限定記事ですが、第1木曜日はどなたでもお読みいただけます。
皆様、2025年 明けましておめでとうございます!
昨年も「特別支援教育総合WEBマガジン『ささエる』」をご愛読いただき本当にありがとうございます。
メンバーシップも毎月新しい方にご参加いただき続けており、広がりを感じています。
「特別支援教育」や「発達障害」という言葉を知らない先生方は、もう、ほぼいないという世の中になりました。
しかし、「特別支援を必要としている子供たち」に「本当に必要な支援」を届けられているか? という点では、まだまだというのが現状ではないでしょうか。
「この子は発達障害だから、特別支援学級で対応してもらわないとね!」
という先生方がまだ一定数いるように思えます。
これは小学校現場だけでなく、「保育現場」でも同じです。「この子は発達に課題があるから、療育だよね」と言葉は変わりますが、本質は同じです。
通常学級の中でもできる「特別支援教育」は、本当にたくさんあります。
その一つが、向山洋一氏が示した「授業の原則10カ条」です。そもそもこの10カ条ができている先生方は本当に少ないと思っています。この10カ条を本当に守っていくだけで、発達に課題のある子供の多くが、授業に参加できる確率がグンと上がるはずです。
そもそも、このような授業の基本ができていないければ「特別支援教育」は成り立ちません。
また「センサリーツール」などに代表される「個別の合理的配慮」についても、通常学級でできる支援の1つです。しかし「その子にだけ与えたら、特別扱いになってしまう」という意見も本当によくお聞きします。「平等」であることに重きが置かれてしまい、合理的配慮が蔑ろにされてしまうのです。
「そのセンサンリーツールがあれば、その子も教室で座って勉強できるという『公平性』」
の方が大切なのではないでしょうか?
このようなことを、皆さんと力を合わせて、日本の教育界に問題提起し続けていくのも「ささエる」の使命だと信じています。
本年も皆さんに「より価値ある情報」を、そして、「どの子も大切にされた子供の事実」を共有できるように頑張ってまいります。
本年も、どうぞよろしくお願いいたします。
●小嶋悠紀プロフィール●
本誌編集長・元小学校教諭
(株)RIDGE SPECIAL EDUCATION WORKS 代表取締役
大学当時より発達障害の青年たちの余暇支援活動団体を立ち上げ発達支援に関わる。卒業後、特別支援を要する子供たちへの支援を中心に講演活動を行う。長野県養護教諭研究協議会において、全県の幼・小・中・高・特の1000名の養護教諭に特別支援の講演を行う。NPO法人長野教師力向上NETでも発達支援者育成部門を担当。
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