お母さんとの作戦会議
ご褒美作戦が子供の意欲をかきたて、行動の変容を促す。
秋田県公立小学校教諭 間嶋祐樹
1.面談は作戦会議
私は、面談を「作戦会議」と呼んでいます。
保護者と一緒に具体的な作戦を立てるためです。
小学三年生男子のS君。生活が不規則になりがちで、夜寝るのが遅くなってしまいます。
寝不足になるので、イライラが強くなり、学校でも物や人に当たることが多くなっていました。
そこでお母さんと面談をすると、YouTube を見過ぎてしまい、それが夜更かしの原因となっている事が判明しました。
保護者が言って聞かせても、子供は言うことを聞きません。
そこで立てた作戦が、YouTube 視聴を1時間以内に抑えようというものです。ここで、大切なことはカードを使い、見える化しご褒美を準備するというものです。
ご褒美は、子供とお母さんと相談して決めます。
1週間継続して達成したらご褒美です。
S君は相談の結果、大好きなサーティーワンアイスクリームが食べられることとしました。
カードは次の物を使用しました。
ちなみに、ネットで検索するとたくさんのご褒美カードが出てきます。
用途に合わせて選ぶとよいです。
S君は張り切ってこれに取り組み、ご褒美を励みにがんばっていました。
その結果、YouTube の視聴時間が減り、学級での問題行動が目に見えて減っていきました。
S君は自信を深めると共に、このカードがなくても自分でYouTube の視聴時間をコントロールすることができるようになっていきました。
2.お母さんを支える
家庭の中で子供と直接ふれあう機会が多いのは、おそらくお母さんでしょう。
例えば、作戦を進めていくのはお母さんが中心と考えてみます(お父さんでももちろんよいです)。
教師は途中で遂行状況を確認したり、保護者と連絡を取ったりする必要があります。
当然、子供にも話をしたり、褒めたりします。
作戦がうまくいくようにお母さんを支えるのです。
お母さんが孤立無援でがんばっていることがあります。
そうならないようにお母さんを労い、励ましながら、作戦をサポートしていきます。
お母さんのがんばりが作戦の成否を決めるからです。
S君のお母さんは我が子の変容ぶりを喜んでいました。
そして、自身の子育てについて、振り返るよいきっかけになったと話していました。
© 2023 TOSS,The Institute for Teaching-Skill Sharing.Printed in Japan
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