新作「子役付き模擬授業」動画特別公開! 【年末ジャンボ★キャンペーン!2024-25】
今年の年末ジャンボ★キャンペーンでは、アンケートで大好評だった「子役付き模擬授業」のささエるマガジン未掲載のものを2本、大公開します。これまでメンバーシップご登録の方しか読めなかった限定記事を期間限定で無料公開します!
これまでの「子役付き模擬授業」の記事がメンバーシップ限定なので一部しか見ることができず、もっと見たいと思っていた方、この機会にぜひ、ご覧ください。
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小嶋編集長の特別支援教育セミナーでよく行われているのが「子役付き模擬授業」です。
発達障害のある子や問題行動のある子などを特別支援教育に詳しい先生が演じ、授業者はその“子役”に対応します。
実際の教室を再現しているので、大変な学びを得られます。その「子役付き模擬授業」を動画で体験していただきます!
解説・介入:小嶋悠紀(ささエる編集長)
子役:原良平(長野県公立小学校教諭)
子役付き模擬授業 年末キャンペーン①
テーマ:無気力で、診断はないが、全体の活動ではぼーっとしている。
しかし、ペアではやろうとする子
授業者:白鳥友樹
教材:外国語 小6 Unit 2 My Daily Schedule
always, usually, sometimesの導入
<文字起こし>
白鳥 外国語、小6です。無気力な子で、診断とかはないですけど、その子が、全体の活動ではぼーっとしてますけど、ペアではやろうとする子です。
小嶋 ペアでは、いいのね、はい。
白鳥 wash the dishes.
一同 wash the dishes. ※原くんは言わない。
白鳥 Mr. Shiratori Schedule 5月スケジュールね。 I wash the dishes……わあ、わあ、わあ……usually
一同 usually ※原くんは言わない。
白鳥 usually……難しいから、ちょっとお隣に言ってみて。
一同 (隣の人に)usually
白鳥 みんなで、さん、はい。
一同 usually
白鳥 Good! I usually wash the dishes. cook dinner.
一同 cook dinner. ※原くんは言わない。
白鳥 cook dinner.
一同 cook dinner. ※原くんは言わない。
白鳥 Mr. Shiratori Schedule. usually?
一同 No
白鳥 No?really?
小嶋 はい、ここまででね、いいですよ。えっとね、やっぱり、僕たち先生として、こういった子が全体で入ってないから、全体で何とか見てもらいたいっていう意識があるんですけど、その「全体で言ってないぞ」って目線を送ることによって、「こいつ、見てない」っていうことが周りにばれることのほうがマイナスが大きい。むしろ、もう、すでに、この子は全体で見れずに、ペアではできるということが確定しているのであれば、全体はもう、僕は捨てますね。はい、だから、全体で見ろっていう目線を送らない。なんでかっていうと、「お前、失敗してるぞ」っていう目線になっちゃうから。
そうじゃなくて、さっきのスライドにちょっと戻ってもらって、「wash the dishes」だっけ、最初。この時は、もうこの子を見ない。もう言わないっていうことがわかってるから。むしろ、「見てればいいや」ぐらいの感じにしておくんです。「wash the dishes」
一同 wash the dishes. ※原くんは言わない。
小嶋 wash the dishes.
原 wash the dishes. ※原くんは言わない。
小嶋 My Schedule……OK?wash the dishes…… usually
一同 usually ※原くんは言わない。
小嶋 隣の人に。usually
一同 (隣の人に)usually
小嶋 オッケー、usually もう一回。
一同 (隣の人に)usually
小嶋 オッケーっていう感じで。むしろ隣で活動してる時も目も合わせない。「それは、言えてるね」とも言わない。なぜかっていうと、「こいつは隣の人とじゃなければ言わないんだ」みたいなことになるから。むしろ、全体で言って、いまやったみたいに、「隣でもう一回言うよ、隣の人とusually、はい」。
一同 (隣の人に)usually
小嶋 はい、こっちを向いて、usually
一同 usually
小嶋 ここで、「言えたな」っていう目線だけ送るんです。すると、ばれないでしょ。しかも、不用意に近づくと、「そいつ、やってないな」みたいなのが周りにばれちゃうから、より良くない。思春期的な対応として。だから、ここに、ほぼ固定、全体を相手していて、「隣りで言ってりゃ、まあいいや」ぐらいの感じにしておく。そうじゃないと、馬鹿にされてる感じがする。で、やればやるほど、言わなくなると思う、間違いなく。
なので、もう、そこら辺は相手にせずに、やってるところで何とかね、みたいな感じで。ペア活動を増やしてあげればできるんだから。その活動の時だけ、「言えてるね」っていう評価もせずに、「あ、そういう感じ、そういう感じ」みたいな。「あ、そういう会話をしてたの」みたいな感じで巻き込んでいってあげるほうが、自尊感情が上がると思う。はい、これ、思春期対応の典型かなと思いましたね、今、聞いてね。
子役付き模擬授業 年末キャンペーン②
テーマ:ASDとADHDの診断が出ている。WISCでワーキングメモリーが低い。集中力が続かない子
授業者:高見澤信介
教材:算数 小6 数の不思議
<文字起こし>
高見澤 6年生の男子、ASDとADHDの診断が出ています。WISCでワーキングメモリーが低いです。集中力が続きません。
3桁で、全て違う数字の数、例えば……
男性 123。
原 え? 456。
高見澤 そう。①に書きます。②にそれを大きい順に並べなさい。隣の人がちゃんとできているか、チェックしてあげて。はい、③に、小さい順に並べます。そして、④引きます。どうぞ。幾つになった? はい。
女性 297
男性 198
高見澤 バラバラだね。真ん中の上、④写します。⑤は、何をするんだっけ。
一同 大きい順に。
高見澤 そう、並べて。⑥は?
一同 小さい順に。
高見澤 ていうふうに、やっていきなさい、どうぞ。はい、計算が終わったら、隣りと交換。合ってるか、チェックしてあげて。
原 ちょっと待って、まだ、まだ、まだ、まだ……
小嶋 はいはい、この授業の場合も、最後、揃うんだよね。みんなね。
高見澤 そうです。
小嶋 揃うやつなんですけど、この場合はね、どういうふうに指示を出して個別支援に入るかっていうとこが大切なので。この場合は、ずっとここ(原くんの前)でいい。この子の計算支援をしてあげなきゃいけないから、ずっとここ。他の子たちはもうわかっているから、もうね、余計に向こうとか行かなくていい、「わからなかったら隣の人に聞いて」そういう形でやっていくといいですね。
やっぱりね、こういう計算式とか、計算を伴うとか、複雑なことが作業過程にあるとか、そういった場合は、しっかりとこの子のサポートに付いてあげなきゃいけないので、全体を相手しながら、「(原くんに)これ、何とかで、次に計算……これ、何とか、これ、何とかで、はい、オッケー」っていうふうにやって、こっちをナビゲートしちゃうの。で、けっこう僕は、そういうふうにやっていましたね、授業の時。算数の授業の時は、そういうふうに計算式を伴って明らかに大変だと思うので、この子は。ここで、こうやってこういうふうに支援しながら、全体を見ながら、全体の指導をしていくっていう、この立ち位置が基本になる場合もある。
だけど、この子が何となくできるんであれば、やっぱり一歩下がるの、こうやって。これ、すごい立ち位置だと思うんですけど。全体をちゃんとやって、これでちゃんとできるなら、こういう位置関係でいいよね。で、むしろ、計算がやっぱり大変だったら、ここら辺で「何とかだよ」とか言いながら、全体を見ながら授業をするっていう、これは小学校では大事だと思います、こういった配慮っていうのはね。
なんでかっていうと、ここに来る条件っていうのがあって、これだけ教えておきます。ここにずっといていい条件っていうのが、周りの子が自分の手元の作業に熱中してる時は、僕等はここにいていいです。わかります? でも、顔を上げなきゃいけない時ってあるでしょう? 音読とかさ。「先生のやつ見てごらん」みたいな時は、この子の近くにへばりついている状態を作らないんです。だけど、「計算練習、1から3まで、できたら持ってらっしゃい」っていうふうにやると、1から3までの計算をみんな、下を向いてやるじゃない。その時は、ここにいていいですよ。だって、自分の手元しか見てないから、子供たちは。
だから、子供たちの目線のコントロールの仕方によって、自分の立ち位置を決めるっていうやり方もあるわけ。これも特別支援教育の基本的な配慮になると思いますね。はい、だから、体の動かし方も必然的だと思いますね。ということで、以上、終了といたします。お疲れ様でございました。
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