発達障害のある幼児が次々と改善する療育②~2024年8月17日 東海特別支援教育セミナー講演より~
一般社団法人Advance 代表理事・太田一美
「小嶋が行く!」で小嶋編集長と対談された「あどばんす」の太田一美先生の講演を記事にしました。今回は第2回となります。
全4回で、最後の第4回は小嶋編集長の解説になっています!
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2 1年間のプログラム① 4月~9月
それでは、だいたいのプログラムをご説明します。いろいろな子の個別学習をしますが、年長さんに絞ってプログラムのお話をします。
まずは4~6月のプログラムです。
1日のスタートは「ハッピータイム」です。常に楽しい雰囲気で行います。「あどばんす」のカーポートで行っています。「同じ色のところに動こう」というゲームをしていますが、このゲームはほぼ成立しないんです。でも、「何となく楽しい」という雰囲気だけは味わうのが、4月から5月ぐらいのメニューです。
お部屋の中で行うときもあります。天気の悪い時などは「今日はこの積み木をやろう」ということも多く、積み木がだんだんできるようになりました。きちんと積んでくる子は年長さんです。その前の年齢の子は、ただ並べるだけというところから始まります。
次第に、子供たちはこれを選べるようになります。そうしたら、「外で遊んだり、積み木をやったり、おままごとをしたり、自分の遊びたいもので遊びましょうということになります。みんな、それぞれの方向を向いて座ります。誰かと一緒にやろうという子供は、まだ、この段階だと出て来ません。
また、ハッピータイムでは、ちょっとだけルールゲームをします。ルールゲームといっても、まだ子供たちにルールは通じませんので、とにかく「なんか持って歩きましょう」という簡単な要望を出します。要望通りに歩いている子供もいますが、別に勝敗もないので、違うお話をしている子供もいます。「ゲームをただ楽しむだけ」というところからスタートしていくんです。
次に行うのが「始まりの会」です。子供たちは思い思いに座っていますが、座っているのはだいたい年長さんで、療育が仕上がってきた子です。まだまだの子は、だらっとして楽しんでいる状態です。
その次は「日課」です。フラッシュカードが始まると、ちょっと座れるようになります。それで、百玉そろばんになると、何となく遠巻きに座って学習に参加できているのが年長さん。真ん中に入っているのが、年少さんと年中さん。ちょっとASD(自閉スペクトラム症)の重いお子さんは、とりあえず部屋の中にいるというような参加の仕方をしています。また、部屋の隅に逃げてきている子供もいます。逃げ場を作った中で集団の学習を進めます。