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褒めて褒めて褒めまくることで、やる気にさせる

子供をやる気にさせるには、褒めて褒めて褒めまくることである。

愛知県公立小学校教諭 岩井俊樹



1 何もしないA君

A君を4年生で担任しました。学力が低く、無気力。本が好きで読書をよくしているけど、それ以外のことはほとんどしません。朝登校すると、机の上にランドセルを置き、本を読みます。荷物を出すこともしませんでした。
授業中も、何もしません。机の上に何も出さずにボーっとしていました。
3年生までの担任に聞いても「Aは何もしない。ノートも何も書かなかった」と言っていました。

2 褒めて褒めて褒めまくる

そんなA君に対して私が立てた方針は以下の2つです。

①   できなくても当たり前。全部やってあげる、書いてあげればよいと考える。
②   ちょっとでもできたことを褒める。

そして、

A君が登校したら、私のところに呼んで褒める。これを1年続ける。

と決めました。

A君が登校したら、挨拶をし、私がランドセルから教科書類を出し、「しまってくれる?」とたずねます。これくらいすれば、A君はランドセルをしまいました。
「ありがとう」と言います。
連絡帳を出し、「自分で書く? 先生が書く?」と聞きます。
「自分で書けます」と言い、A君は自分で書きました。
そこをすかさず褒めます。
「A君、字がきれいだね。すごい!」

授業でも、私が教科書を出し、ノートを開き、赤鉛筆で薄く書きます。「なぞってごらん」と言います。
少しでもなぞったら褒めました。なぞらなくても何も言いませんでした。
これをひたすら続けました。

A君が登校したら、私のところに呼び、昨日の出来事をふり返り、良かったところを褒めました。
内容は、「ランドセルを自分でしまえた」「連絡帳を自分で書いた」「授業のノートをちゃんと書いた。なぞれた」など。
そして、最後には、
「去年は何もやっていなかったでしょ? 4年生になってがんばっているね」
「今まではやっていないのにすごい! これを続けるとどんどん成長していくよ」
と、過去と比べて、成長していることを口に出し、褒め続けました。

3 自分で取り組むようになったA君

だんだんとA君は、自分ですることが増えていきました。
半年ほどたった時には、自分で朝の用意をし、連絡帳を書くようになりました。
授業中も教科書、ノートを自分で用意し、書くようになりました。
分からなくても、黒板を写したり、休み時間に聞きに来たりするようになりました。
勉強はできないところも多かったです。それでも、他の子供と同じように準備ができ、授業に参加できるようになりました。
杉山登志郎氏は、『発達障害の子どもたち』(講談社現代新書)の中で『両親や教師など子どもを取り巻く周囲の人間がADHD児に対して「おだてまくる」覚悟が必要』と述べています。
教師が「おだてまくる」覚悟をもち、褒め続け、やる気にさせることが、子供を変える第一歩です。


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