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★有料(メンバー無料)★<そうだったのか!発達障害児への本当の対応>ASD症状への具体的対応ライブ中継!① ※①のみ全員無料

〜自尊感情を落とさずに対応するキーワードを大公開!〜

元長野県公立小学校 小嶋悠紀


特別支援教育ベーシックトレーナー養成講座~発達障がいの基礎・基本~
2015年4月、長野県長野市で開催。発達障害のある子供たちへの対応法を学びたい方々へのオープンセミナーでのASD児の基本理解と対応の講座。小学校、中学校、高校の教師に加え、保育士、エンジニア、保護者など200名が参加した。本稿ではこのセミナーの一部をテープおこしで再現する。


(前号からの続き)
※前号ではADHDの三大症状(不注意・衝動性・多動)のうち「衝動性」への対応を中心に紹介した。

一.ASD(自閉スペクトラム症)の三大症状

ASDの三大症状「想像力の障害」「社会性の障害」「パニック」

この中で一番子供にとって大変な症状とは何でしょうか。

それは一人一人違います。その子にとって社会生活を送る上で最も障壁の高いものを見つけてあげる必要があるからです。

二.想像力の障害 ①想像する弱さ

まず、想像力の障害について説明しましょう。

「想像する弱さ」「こだわり」「変化への抵抗感」の3つがあります。

想像する弱さを本当に彼らは持っています。例えば、アーモンドチョコの箱の中に本来ならチョコが入っているのに鉛筆が入っていたとしますね。
このあと友達が来るとして、チョコの箱の中に何が入っているか友達に質問します。

友達は何と答えますか?(参加者 「チョコ」)

友達は中身を見ていないのでチョコレートって答えますよね。だけどASDの子供は大体「鉛筆」と言います。

なぜかというと想像することに困難性を抱えているからです。自分はこう考えているから相手も同じように考えているんだ、と考えてしまいます。相手が悲しむからやめなさい、という論理の立て方は通用しないのです。

自分の中の正義はすべての正義だと思っています。だから殴ってもいいんだと。

自分の正義はこうなんだけど一般的な正義はこうなんだと擦り合わせはできないのです。

独自の正義感を持った子は難しいです。これは薬では治っていかないんです。スキル的な部分なので、何回もその子に入力していくことで和らいでいくことができます。

低学年の子供で自分なりの正義をつらぬく子って本当に大変ですよね。
相手の気持ちが読めないっていうのは、相手の考えていることに想像が及ばないっていうことなんです。
 
大人になったASDの人と話していても、ややこしい時がありますよね。帰りたいのに話を続けていて全然帰してくれないとか、僕はこの食べ物が嫌いなのにずっと勧めてくるとかね。自分がおいしいからみんなおいしいと思っているんです。
 
伝える側が意図したように理解できないこともあります。
 
「六年生なんだから」とか、「臨機応変に」とか本当に苦手です。言葉の裏の意味を読み取れないんです。
 
だからケンカ腰に「お前ついて来い」と言われてもノコノコついていく。「ケンカするなんて言ってないじゃないか」とパニックになる。
 
「しっかり」「ちゃんと」「なかよくしなさい」これらもわからないです。よく使われるんですけどね。
「しっかり」「ちゃんと」の裏側を読める子供というのは本当に少ないです。
「しっかり」という言葉はいろんな場面で使われるからです。「しっかり食べなさい」「しっかり勉強しなさい」「しっかりしなさい」
 
定義できない言葉は使わないほうがいいのです。

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 言葉の裏の意味が取れないという「語用論の障害」は、「心の理論」のほか、複雑な場面における課題遂行のための思考行動制御のためのシステム「実効機能」の障害。さらには、全体を捉えず細部に注意がいってしまう「中枢性統合の弱さ」などでも説明ができる。
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(②に続く)


小嶋悠紀(こじまゆうき)
大学時代より発達障害の青年たちの余暇支援活動団体を立ち上げ発達支援に関わる。卒業後、特別支援を要する子供たちへの支援を中心に講演活動を行う。長野県養護教諭研究協議会において、県内の幼・小・中・高・特の1000名の養護教諭に講演を行う。NPO法人長野教師力向上NETでも発達支援者育成部門を担当。


※この記事は2016年6月1日発行の『TOSS特別支援教育 第3号』に掲載されたものの再掲です。一部、名称等が当時のものになっていることがありますこと、あらかじめご承知おきください。

※この記事へのお問合せはTOSSオリジナル教材HPまで。https://www.tiotoss.jp/

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