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「マグネットひらがな表」で読めた!書けた!

Yくんは知的学級に入学してきた1年生。「お勉強大好き!」の気持ちを大切に、毎日ひらがなの学習に取り組みました。

兵庫県公立小学校教諭 山根麻衣子



「お勉強しよう!」「お勉強大好き!」
いつもそう言ってにこにこ笑顔で教室にやってくるYくん。Yくんは入学した時、まだひらがなが一文字も読めませんでした。「りんご」など、かたまりで理解しているものはありました。しかし「り」「ん」「ご」と一文字ずつ別々には読めませんでした。

ひらがなのおけいこが始まったのとほぼ同じ時期から始めたのが、教育技術研究所から販売されているTOSS kids教材の「マグネットひらがな表」でした。

Yくんが特に気に入ったのは、マグネットを並べ言葉をつくる学習でした。最初の頃は教科書や「ひらがなのおけいこ」に例として載っている言葉を手本にしていました。マグネットを並び替えると、知っている言葉をたくさん表現できるので、Yくんは夢中で取り組みました。しかし、一文字ずつの読みにはなかなかつながりませんでした。
そこでYくんが「こま」とマグネットを並べたら、私がマグネットを一つずつ指さして「こ」「ま」と読み聞かせることにしました。するとYくんも同じように指をさして読むようになりました。

このような学習を繰り返していくうちに、Yくんは一文字でも読めるひらがなが増えていきました。
市販のイラストカードなどを使うと、さらに学習のバリエーションが増えました。

例えば次のような使い方です。

① イラストを見て、マグネットを置く。
② カードのうらに書いてあるひらがなを見て合っているか確認。
③ 教師が一文字ずつマグネットを指さして読む。
➃ Yくんも同じように読む。

この使い方で、姉妹教材である「マグネットカタカナ表」にも挑戦しました。
促音や拗音も大切な学習です。マグネットでつくられたひらがなの粒は、一音一粒です。そのため、「ぎょうざ」の「ぎょ」なども視覚的に一音であると捉えることができました。

Yくんはマグネットひらがな表を使って、遊びの中でいつの間にかひらがなを覚えていきました。やがて簡単な絵本を一人で読めるようになったり、学習の振り返りカードなどに自分で一言でも何か書けるようになったりしました。
文字の入門期である1年生や未就学の子には「マグネットひらがな表」はぴったりの教材だと、Yくんとの学習を通して思いました。


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※この記事へのお問合せはTOSSオリジナル教材HPまで。
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