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部活でも有効なのは、教えて褒めること

部活では、怒鳴ることが必要だと思っていた時があった。それが大きな間違いだと気付いたのは、猛烈に反抗された時だった。

埼玉県公立中学校教諭 森田健雄



「お前は何でそんなことすらできないんだ。やめちまえ」
 
これがかつての私の部活指導での口癖の一つでした。とにかく怒鳴り、罵倒することを繰り返していました。
 
ある時、一人の男子が私に向ってきました。
 
「うるせえんだよ。やめてやる」
「おうっ、やめてしまえ。ふざけんな」
 
そこから他の子への指導も入りにくくなったのを覚えています。
 
がんばっても怒鳴られるだけ、何をやっても罵倒される。そんな教師に見切りをつけたのだと思います。

私は、新卒1年目から週末に様々な学習会に参加するようになりました。授業では、教えて褒めることや笑顔で行うことを意識できるようになりました。

しかし、部活の指導では、うまくできませんでした。

私の部活指導に反旗を翻した生徒たちは、私が何かを言えば、全て反抗してきました。チームメイトにも暴言や暴力が出るようになりました。もちろん教師に対しても威嚇してくる場面がありました。その時に気が付きました。自分がしていたことが同じように自分に返ってきたのだと。

そこから、私の部活での「教えて褒める」という指導が始まりました。

まずは声を荒げることをやめました。声を荒げるだけで、怒られたと感じる生徒がいるからです。

また、人格の否定や、ただ罵倒するような言動をなくしました。

さらに、できていることはもちろん、その生徒が努力している部分を見付けて褒めるようにしました。

もちろん、効果は急には出ませんでしたが、少しずつ変化が見えてきました。生徒が楽しそうに部活に参加するようになったのです。

さらに、自分自身が部活に行くのが楽しくなってきました。それまで部活に行くのが憂鬱だった私には、大きな変化でした。

もちろん指導が必要な場面はあります。その時は、「〇〇をしなさい」「〇〇をやめなさい」など短く具体的に言うようにしました。

私が怒鳴りつけると、目がつり上がっていた生徒たちが、教えて褒めることを実践していくと、真剣な表情で話を聞くようになりました。

部活でも大事なことは、「教えて褒める」ことでした。


© 2023 TOSS,The Institute for Teaching-Skill Sharing.Printed in Japan

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