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子供がキレた!! そんな時こそ笑いの力?

子供の暴言・暴力が止まらない。そんな時こそ「笑いの力」が必要だと学んだ。

埼玉県公立小学校教諭 沼田直樹



暴言、暴力がすぐに出てしまうK君を担任しました。

どう対応をしたらよいか毎日のように迷い、悩みました。

今までK君の暴言暴力に怒りで対応してきて、反抗され、うまくいかなかったのです。

長谷川博之氏に教えてもらったことは、「笑う場面」を作る大切さでした。

教師が笑うことで、意図的に子供の意識に空白をうむことができます。
よって、沸騰した怒りを落ち着けることができました。

下記はそのことを意識して、子供に対応した事例です。


ある日の朝、子供たちが、教室にやってきました。
私は重い気持ちのまま、教室に向かいました。
すると、いつも通りK君がいます。

意を決して教室に入りました。

すると、周りの子たちが何かざわざわしています。
嫌な予感がしました。

周りの子は次のように言います。

「先生、K君がランドセルを忘れて柔道の習い事のバッグで学校に来てます!」

にやにやと、小ばかにしている感じでした。

K君は、取り乱すように、
「はあ?? わざとじゃねーし、家でランドセルの近くにバッグを置いていたから間違えたんだよ」と興奮気味に言います。

さあ、朝からはじまってしまいました。

しかし、その時私は大切なことを思い出しました。

「笑う場面をつくるのだ」

自然と、その言葉が頭をよぎりました。
考えている暇はありませんでした。

私は、とっさに大声で笑いました。

「は―(笑)!!?? 柔道のバックもって来ただと(笑)?? なにしとんねん(笑)え、中身は何入ってるの? 柔道着!!!! うそでしょ!!! いつ使うんだよ(笑)?? え、まって筆箱は??無いのか―い」

一瞬、教室がぽかんとしました。

しかし、その後に大爆笑に包まれました。

K君もニコニコしています。
K君は続けました。

「先生、ちなみに教科書もない(笑)!!」

私も負けません。

「いやいや、何しに来たんだよ(笑)」

これまた、爆笑でした。

その後、「とりあえずこれ、使いなさい」と、教科書と鉛筆を貸し出しました。
 
このように笑いを取り入れることは、子供たちにとって想定外のことなのだと教えてもらいました。

子供がキレていらいらしているときこそ、教師は冷静に対応できるようにしたいです。



【ご注意点】子供によっては別の反応があることもあります。状況を見てご対応ください。


© 2023 TOSS,The Institute for Teaching-Skill Sharing.Printed in Japan

※この記事へのお問合せはTOSSオリジナル教材HPまで。
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